(その二)
いよいよ漉きにかかります。日本の紙漉きの特徴の一つに黄蜀葵(とろろあおい)の使用
があります。この植物のネットリした液で「ねり」を加えることで、繊維を均一に分散させ、
丈夫で美しい和紙が出来ます。
黄蜀葵(とろろあおい)
![]() |
・漉き簾(すきす) 竹片子(たけひご)を絹糸で編んだ特製のものです。 |
![]() |
・漉き桁(すきげた) 良質なヒノキでつくり、上桁と下桁で漉き桁をはさみこみます。 |
漉き(すき) 漉き舟の中に満たされた紙料を、熟練した技術者が、 竹製の簾(す)の上へ漉き上げていきます。流し漉きと 呼ばれる日本独特の技術です。紙の誕生です。 |
![]() |
![]() |
模様入れ 模様を必要とするものには、この湿っている段階で模様 をつけます。 圧搾(あっさく) 出来上がった紙を重ねて圧搾し、水を切ります。 |
乾 燥 湿りの残っている紙を干し板に撫でて貼り付け、乾燥します。 選 別・検品 乾いた紙を板からはがし、一枚一枚吊るします。 |
![]() |
![]() |
木版摺り(もくはんずり) 桜・桂等の厳選された板に、洗練された模様を彫刻したものを 版木(はんぎ)といいます。雲母、胡粉、色等と糊材を調合した ものを「ふるい」(木枠に布を張ったもの)により版木に平均に置 き、版木に鳥の子紙を乗せ心込めて丁寧に摺ります。ただし 木版摺りは、一部の模様に限り使用されます。 |